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「ホテル古湧園 遥」のSDGsへの取り組み

SDGsとは、Sustainable Development Goals「持続可能な開発目標」の略で世界が2030年までに達成すべき目標をしめすもので、2015年の国連サミットで採択され、「持続可能な開発のための2030アジェンダ(課題)」に掲載されている。

17のグローバル目標

上記の目標達成のために、具体的な指標であるターゲットも169個定められている。
地球上の誰一人取り残さない事をちかうもので、世界中で様々な取り組みがなされている。

SDGsは国の重要課題として国が取り組むべきものだが、「誰一人取り残さない」というSDGsの誓いは、国の力だけでは達成はできない。各地域の自治体や企業、NPO,NGO、学校などの様々な組織、そして、我々個人一人一人が連携して取り組んでこそ、SDGsは達成可能となる。

1. ホテル古湧園 遥 のSDGsへの取り組み

① ZEBホテルとZEBの宣伝

愛媛初のZEB(ネットゼロエネルギービルディング)のホテルで、従来工法の建物とくらべ1次エネルギーを61%削減できる施設。太陽熱集熱システムとヒートポンプユニットでお湯を作り館内に供給している。化石燃料を燃やすボイラーの設備はなく、大幅にCO2の削減に貢献。建物の構造、高効率なインバータエアコン、複層ガラス、高断熱材等でエネルギーを削減。

全館LED照明を使用、人感センサーによる自動点灯、共用部の照明は自動タイムスケジュール管理で点灯時間を管理している。空調については事務所内で客室、共用部とも温度のコントロールが可能となっている。通常冬期22度C、夏期28度に設定。

他に、デマンド監視システム、BEMS(ビルエネルギーマネッジメントシステム)による監視システムで最善の省エネを目指している。太陽光発電によりわずかであるが(0.3%)照明用電力を補っている。

営業を通じて旅行会社や他企業へ、セールスポイントの1番に人と環境に優しいZEBホテルを説明、ZEBリーディングオーナーとしてZEBのPRを通じてと環境保全の輪を広げている。

2024 年3月、ホテル敷地内の擁壁(ようへき)に、太陽光パネルを設置し稼働を開始した。これは、再エネ100宣言RE Actionを達成するための取組である。

太陽光発電のパネルは160枚、総発電容量は65kW、蓄電池は9.5kW✕2台

足湯カフェ店内の携帯電話充電設備

また、太陽光パネルの設置と同時に、地震や豪雨災害の発生による停電事故に対応するため、蓄電池を設置。環境問題とあわせて、災害時のレジリエンス対策にも取り組んでいる。

電池からの電源供給として 「足湯カフェ坊っちゃん」のコンセントから提供する。

② 地産の材料を使った献立、健康志向の献立の開発

県産品をふんだんにつかった料理を提供。
(鯛一郎、柑橘ぶり、甘トロ豚、ひめスマ、伊予牛、松山鶏、伊予美人、緋の蕪漬け、ひめくり茶、柑橘ジュース等)

地産地消によって地域活性化や輸送エネルギーの削減に貢献する。
高齢者向け料理やダイエットメニュー(糖質0,炭水化物0)の提供。健康志向の観点でお客様の選択の幅が広まった。

③ 脱プラの推進

海洋ゴミとしてマイクロプラスティックが問題になって脱プラがさけばれている。

ホテルでは客室に提供するアメニティー類の容器や包装材の大量のプラゴミの発生が問題になっている。そこで、使い捨ての客室アメニティー(歯ブラシ、シャンプー、リンス、カミソリ、ヘアーブラシ等)を排除し、お客様にご持参いただく代わりにオリジナルエコバックを進呈するエコ宿泊プランを造成し販売している。

歯ブラシについてはお米からつくられた(70%)水溶性プラスティックの歯ブラシを採用している。ストローは紙製を使用している。

④ 安全安心なサービスとセキュリティーシステム

  • コロナ感染防止対策を徹底、安全安心を最優先のサービスを提供
  • 従業員のマスクの着用、シルードマスクの着用、アルコール消毒スプレーの携帯、手袋の着用
  • 客室への案内時に濃厚接触者とならない工夫、出社時の検温および手指消毒
  • 発熱者(37.5以上)発生時の対応マニュアルを策定
  • チェックイン及びチェックアウト業務の時間短縮化
  • 夕食はバイキング形式から会席料理へ献立変更
感染防止のための設備
  1. 飛沫防止シールド/レストラン、宴会場、フロントデスク等
  2. 空間除菌(ジアイーノ)2機/レストラン・フロント
  3. イオン発生加湿空気清浄機(シャーププラズマクラスター)/各客室、レストラン
  4. 超音波加湿器+次亜塩素酸ナトリウム希釈液(チャーミスト)の設置/大浴場脱衣場、共部トイレ、ロビー、エレベーターホール等
  5. 光触媒塗装イオニアミストプロ/共用部分の壁面に塗装
  6. 赤外線式自動検温器(サーマルカメラ)の設置/正面玄関・南玄関
  7. 県産品マスクの提供/希望者
  8. 殺菌及び掃除機器として業務用スチームクリーナーの導入
  9. レストラン会場に抗菌マスクやすめ
  10. レストラン会場に使い捨て手袋の自動装着装置を導入
  11. アルコール消毒器/各エレベーターホール、各会場エントランス、玄関、トイレ等
  12. 次亜塩素酸水消毒薬の設置/各客室
  13. 二酸化炭素濃度測定器の設置/レストラン
安心のセキュリティーサービス

カードキーが無ければエレベーターは客室階で停止しない、また 深夜は館内に入る事もできないので、女性客も安心して利用できる。

バリアフリー客室の設置、障害者対応トイレ、障害者対応貸し切り風呂、全館車椅子での移動可能、道後温泉前へ段差無く車椅子でアクセス可能である。

2カ所の男女共用多目的トイレが有り、誰もが利用できる。

⑤ 災害に強い組織作り

道後のホテル旅館全体で行うコロナ感染対策の毎月の講習会に参加し、地域全体でガイドラインを作り感染予防に貢献。

  • 令和2年11月2日 道後全体で合同防災訓練行う。
  • 令和3年3月2日 松山東消防署指導のもと、火災防御訓練を当ホテルで行いました。

これには外国人宿泊者の避難誘導を想定し、国際交流センターより外国人8名様に参加協力いただき、外国人客を想定した避難訓練を行いました。

2.今後の取り組むべき課題

① 慈善団体への寄付活動と協力

ユニセフ募金箱の設置。

慈善団体への寄付、赤い羽根募金等に協力し企業として貧困撲滅に貢献。

② エシカル消費の推進とジェンダーの平等啓発

エシカル消費の推進。人権に問題の有る地域に関係する企業の商品は購入しないことで、人権侵害に抗議。児童労働に関与する企業の商品を購入しないことで児童労働に抗議。

オーガニック製品を増やす。

フェアートレード商品の購入。

「国際フェアートレード認証ラベル」、「世界フェアートレード認証ラベル」、「各企業・団体独自のフェアートレード認証ラベル」が有る。

LGBTの外部研修参加や社内衛生委員会でのジェンダー平等の教育を実施。

③ ZEBシステムの運営と他企業へのPRで環境意識の啓発

ZEBホテルの運営の継続、RE100にむけて再生可能電力を四国電力より調達(全体の5%)する。

④ 地産品を優先的に使用地元産業の活性化に協力、 脱プラの推進

地産品、伝統工芸品の積極的利用

食材の効率的有効利用(歩留まりををあげる)、冷凍保存

廃棄食材の削減(3010運動の奨励で食品ロスをなくす等。)

国産品(made in Japan)へのシフト

脱プラ、使い捨てアニメティーの削減

⑤ アフターコロナの企業組織改革と将来のリスクに備える

将来考えられるリスク(気候変動による自然災害、地震、パンデミック、戦争、金融危機など)に備える。

地域一体となった防災訓練、強靱な地域インフラの策定と構築、防災マニュアル、被災時の行動マニュアルを策定。

想定外の災害にも耐えうる企業組織へ改革、BCP(ビジネス継続計画)の策定。

事業の多角化展開の策定。

従業員が将来に備えるための資産形成等の講習会の開催。

⑥ SDGsの啓発

SDGsについて社員教育を実施し、SDGsの必要性や具体的な取り組みについて認識してもらい、各々の生活の中でできる事を広げ、そのことを友人や知人にも広げてもらう。

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